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美味しさとは「思い出」を回想すること

UPDATE : 2024.04.12

人生で印象に残っているパスタがあります。
子供の頃、六本木のイタリアンで食べた「エイのパスタ」はエイの身と香味野菜という複雑な構成ながら驚くほど深い味わいでした。
渋谷で味わった「バターとパルミジャーノのパスタ」はシンプルながら絶妙なバランスで衝撃的な美味しさでした。
岡山の牛窓で出会った「生クチコのパスタ」は滑らかな食感と温度感が官能的ですらありました……。

叶うのであれば、どれもまた食べたいのですが、実は時折ふと食べたくなるのは学生時代によく作っていた「ツナのスパゲッティ」。
フライパンに油をひいてスライスした玉ねぎを炒め、ツナとゆでたスパゲッティを入れて塩胡椒で味を調え、最後に醤油をさっと回して風味をつける。
レモンを添えて出来上がり、というものです。
これは当時よく行っていた喫茶店にあったメニューで、それを真似てよく作っていました。

喫茶店ならではの味わいは今も懐かしく、これを食べると当時の思い出も蘇ってきます。
そういえば、冒頭に述べたパスタもそれぞれが思い出と結びついています。
料理は美味しさと一緒に思い出も味わうから、感動するのですね。

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